伝統工芸品 豊橋筆

豊橋筆の由来

豊橋筆


豊橋筆は特殊な技法「練り混ぜ」を使って作られており、墨になじみやすく、滑るような書き味が特徴の筆です。


多様な動物の毛の特性を知り尽くし、穂の長さや太さ、毛の硬さや弾力の違いのある毛を使い分け、混ぜ合わせることによって書道用日本画用工芸用など用途に合わせて何百種類以上もの筆が作られます。


安定した書き味と品質の良さは、書道家など筆の専門家からも高い評価を得ています。



豊橋筆の歴史は古く、その始まりは二百年以上前の江戸時代にさかのぼります。


江戸時代、豊橋は吉田藩七万石の城下町でした。
その吉田藩の財政難の際に、下級武士が内職として始めたのが豊橋筆の始まりです。


豊橋は山間部にあり、筆を作るための材料を簡単に調達する事ができ、また、東海道五十三次の宿場町であったため、豊橋で作った筆は全国へと広がっていきました。


今日では国内生産の約四分の一、高級筆においては七割のシェアを占める、年間180万本が全国で販売されています。


1976年に、伝統工芸品として指定されました。